リョウボ リョウボは主食である米や麦などを節約する目的で広く一般に用いられており、昭和初年ごろまでは食用にされていました。これは成長力がきわめて旺盛な樹木であるから、若芽を何回もつみとり、ゆでてリョウボ飯の主な材料としていました。米の不作の年にはその芽は伸びる間もない程にとって食べたものです。普通の年はゆでて乾燥したものを保存しておき食用に供しました。 ゼンマイ 海辺には少ないが山間地方には特に群生地が多く、このうち男ゼンマイは食用にはしません。古くから今なお灰汁でゆでた上によくさらし、乾かして貯蔵し、これを煮〆にしたり、またはつけ物にしています。ゆで方にコツがあり、採集直後のものはおいしくないです。 ワラビ 長い期間にわたり獲られるので、「一人聟(むこ)に食べさせる程は年中ある」といわれていますが、最盛期はゼンマイと相前後としています。ゆでて乾かすがゆですぎてはいけません。煮〆にしたり鮓などの具に用いるが、ゼンマイよりも繊維が多いです。また、塩漬けにもするが、明治、大正のころは塩だけの味付けで食べていたものです。 その根から繊維などの不純物を取り除いた後のでんぷん質のものを「ワラビのセン」といいます。このワラビのセンはかつて傘、提灯用の糊に用いていたものです。この地方では飢饉時以外には掘られていません。 フキ・ツワブキ フキは一年中採取できるが早春のものが一番よく、これをフキ飯にしたり煮〆として、また、塩漬けにもして味わいました。フキの薹(とう)は独特の風味と季節感を賞味して昔も今も変わりなく喜ばれています。 ツワブキはフキよりも早く若芽を出し、フキよりも味も香りもよく趣きがあります。 竹の子 この地方は昔から漁業用や輸出用として出荷しており、孟宗、シチク、ハチクの竹の子はその時どきの食膳をにぎわしたものです。昭和初年から孟宗の竹の子は缶詰に利用されるようになりました。